【停電中の熱中症対策】


熊本県で4万件の停電。
熱中症による体調不良が心配です。

停電下は「電気を使わずに体温を下げる」に発想を切り替えます。優先度の高い順に。

  1. 最優先:気化熱を使う

電気がなくても、これが最も効きます。

濡らしたタオルで体を拭き、うちわや下敷きで扇ぐ。 汗が乾くときに熱を奪う仕組みを、人工的に起こします。扇ぐ動作が加わるだけで冷却効率は大きく上がります。

霧吹きやスプレーボトルに水を入れて、顔・腕・首に吹きかけながら扇ぐのも有効です。水は少量で足ります。

  1. 太い血管を冷やす

首の両脇・脇の下・脚の付け根。ここに保冷剤や氷、冷たいペットボトルを当てると、冷えた血液が全身をめぐって深部体温が下がります。

冷凍庫の保冷剤は停電後も数時間〜半日はもちます。溶けた後の水も冷たいので、タオルに含ませて使ってください。

  1. 冷蔵庫は「開けない」

停電直後の冷蔵庫は、開けなければ数時間は保冷が続きます。開閉のたびに冷気が逃げます。 必要なものをまとめて一度に取り出す。中の氷や凍った保冷剤は、飲むためだけでなく体を冷やす資源として使い分けてください。

  1. ⚠️ 断水中でも水分を控えない

これが災害時に最も多い落とし穴です。

「トイレに行きたくないから」と水分を我慢して熱中症になる方が、毎回大勢出ます。 特に女性と高齢者に多い傾向があります。

携帯トイレや簡易トイレを確保して、水分を我慢しなくていい環境を先に作ってください。 ビニール袋と新聞紙、猫砂でも代用できます。

  1. 水分と塩分の摂り方

経口補水液かイオン飲料が最適です。手元になければ、水に対して塩0.3%程度(1Lに小さじ1/2弱)+砂糖大さじ4程度で簡易的な補水液が作れます。

梅干し、塩昆布、味噌汁、ジュースも塩分・糖分の補給になります。支援物資のスポーツドリンクは薄めずそのまま飲んでください。

  1. 涼しい場所へ移動する

自宅で耐えるより、移動したほうが安全な場合が多いです。

自治体の指定暑熱避難施設、避難所、開いている商業施設
車のエアコン(後述の注意あり)
建物内では日の当たらない北側の部屋、風の通り道

窓は2カ所以上を対角線上に開けると風が抜けます。1カ所だけでは空気が動きません。

  1. 車のエアコンを使う場合の注意

停電時、車は貴重な冷房設備ですが、条件があります。

周囲に瓦礫や土砂がないか確認。マフラーが塞がれると一酸化炭素中毒で死亡します
ガソリン残量を確認。給油所も停電で使えない可能性
車中泊は同じ姿勢を避け、2〜3時間おきに足首を動かす(エコノミークラス症候群)
直射日光下の車内は短時間で50℃を超えます。日陰に停める

  1. 夜間も油断しない

停電すると夜間も室温が下がりません。 熱帯夜の室内熱中症は睡眠中に進行し、自分では気づけません。

寝る前と起きた直後の水分補給を必ず。 枕元にペットボトルを置いてください。

  1. 避難所での注意
    床に直接寝ない。 床は熱がこもり、埃も舞います。段ボールや毛布で一段上げる
    人が密集すると体感温度が上がります。通路側や窓際など、風が通る場所を確保
    遠慮して水分を控える方が出ます。周囲から声をかけてください
  2. 見守りが必要な方

高齢者・乳幼児・持病のある方・障害のある方は、暑さの自覚が遅れます。

「顔が赤い」「汗をかいていないのに体が熱い」「返事がおかしい」「ぼーっとしている」は危険なサインです。

自力で水が飲めない/意識がはっきりしない場合は、飲ませようとせず、すぐ119番。 涼しい場所に運び、首・脇・脚の付け根を冷やしながら救助を待ちます。